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リアルな研究者の卵~理系大学生へ~

理系大学生(博士)が理系大学生(後輩)と科学の発展を願う人に向けた記事を書きます。たまに個人的な趣味も記事にします。

コーヒーが冷める

ちょっとした日常(読み物?)

ちょっと日常で気になったり、思いついたことをたまにまとめようと思います。

Twitterでやれとか言わないで

   

 

コーヒーをいれた。その直後、ボスにちょっとした用事を頼まれた。

コーヒーに牛乳を入れたい。でも、時間を置いたら冷めてしまうのではないだろうか。なるべくあったかいうちに飲みたい(いれたては熱すぎてダメ)。

 

二つのことを考えた。

1:先に牛乳を入れる。そのあと用事をこなす

2:用事が終わってから牛乳を入れる

 

どっちが、コーヒーがなるべく冷まさない手順だろうか。。。

 

大気中でコーヒー(牛乳)を放熱徐冷すると、その放熱の速さは大気との温度差による。温度差が大きいほど基本的には早く冷める。

また、牛乳を混ぜることで、熱容量に依存して、これもまた温度が下がる。

 

ここは1が正解だと思う。一見、温度が下がってしまうように思える。

でも、放熱していないコーヒーに牛乳を入れれば、温度変化は少なく済む。そして、温度が少し下がった状態のため、放熱は少なく抑えられるはずだ。

2を考えると、温度差によってたくさん放熱したコーヒーに牛乳を入れてしまうことで、さらに温度が下がってしまうのではないだろうか。

 

ちょっと計算してみた。放熱によって、コーヒー(牛乳)の温度は指数関数的に下がっていくと考える。初期条件は、コーヒーが95°C、牛乳は5°C、入れる量はコーヒー:牛乳が9:1。比熱は同じだとする。また、体積による温度変化比率の変化はないとする。60分でコーヒーが95°Cから30°Cまで冷えると仮定すると、

 

 

f:id:physine:20170225140835p:plain

 

より、τ=60(log19-log6)

 である。ちょっとした用事が5分かかるとする。牛乳を先に入れていた場合、飲み始めるときの温度は、

 

f:id:physine:20170225140851p:plain

だいたい80°Cになりそうだ。

今度は後から牛乳を入れた場合を考えると、式と近似値は

 

 

f:id:physine:20170225140936p:plain

となった。アレ?後者(2)のほうが高いじゃん。

用事の時間によっても決まるのかと思って、用事の時間を一般化してtとおいて計算してみた結果がこれ。温度差(両者の差)をとってみた。

 

f:id:physine:20170225141116p:plain

t>0とすると、時間を空けるほど温度差が広がっていく。つまり、あとから牛乳を入れたほうが冷めない、という結果だ。直感が外れた。悔しい。

 

 

 

しかし、重要なのはここからである(偉そうに)。

この結果は、あくまでも、「この近似、仮定をした下」での結果だ。いつでも成り立つとは限らない。しかし、正しくもある。つまり、「この近似が成り立つ下では必ず正しい」ということだ*1。物理の式も同じだ。「ある前提が成り立つ下では必ず正しい式」が物理の式だ。間違っていた、答えが合わなかったからと言って、その式が間違っているわけではない。理想は、すべて、どんな条件でも成り立つ式の発見だが、そんなことは起こるのだろうか…。

   

   

*1:おそらく、放熱の早さとか、比熱とか、牛乳とコーヒーの比率、その他をいじればまた違った結果になるんじゃないだろうか。