リアルな研究者の卵~理系大学生へ~

理系大学生(博士課程)です。備忘録的なことを記事にしています。主に研究や物理の考え方について

電気回路や測定を学ぶときに

個人の経験です。応用物理学科のB4*1の研究で、一年間電気的な特性を測定していた人がこの記事を書いています。そういうレベルの記事だと思ってくれれば幸いです。

 

   

   

 

入力・出力インピーダンスを理解すること。

 

電気回路の基礎はこれに尽きると思いました。私はここを知ってから視野が広がった気がしました*2。また、この考えは、対象の電気特性を調べようとしている人には欠かせない考え方だと思っています*3

 

 

 

 

入力インピーダンスとは

 

その前に、電源の話

電源はどう描かれているでしょうか。もしくは、どんな描像を抱いているでしょうか。

右の丸い端子が、接続する先だとして。

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(A)でしょうか。(B)でしょうか。

 

 

正解は、Bです*4

ここに抵抗が入っていることが重要です。そしてこれが、出力インピーダンス、という概念につながっていきます。

 

電源を、機械につなぐ

さてこの電源、使うときはもちろん、どこかに接続する必要があります。接続する先は、「抵抗」です。抵抗に接続することで、機械を駆動します。

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青の抵抗が、機械の持つ抵抗だと思ってください。

 

電源の正体とは。

 

電源とは、一定の電流を生み出す装置である

ここでは思ってください*5。先ほど、電源を V [V]と電圧で表現しましたが、ここでは、I [A]です。つまるところ、電源とは、電源自体が持つ抵抗*6に一定の電流を流すことで、電圧*7を生み出す装置です。

 

接続した抵抗が"大きい"とき

 これはつまり、赤の抵抗に比べて青の抵抗が無視できるぐらい大きいとき」です。

 この時、電流がどう流れるかというと「ほぼすべて赤の抵抗に流れる」です。

すると、「青の抵抗の両端にかかる電圧」は「もともと目指していた」電圧そのものになります。つまり、うまく電圧源として作用している、ということです。

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接続した抵抗が"小さい"とき

一方、これは赤の抵抗と比較して、青の抵抗が無視できない大きさ」の場合です。

すると電流は、「赤の抵抗青の抵抗の比に従い、別れて流れる」となります。そうすると青の抵抗の両端にかかる電圧は、「電流が全部赤の抵抗に流れた時の電圧」よりも低くなります。つまり、電圧源としてうまく機能していないことになります*8

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青の抵抗とは

さて、この時の、「電圧を受ける抵抗」のことを「入力インピーダンス」と呼んでいます。ごらんになってわかるように、「入力インピーダンスは大きいほど良い」です。

また、この抵抗値は交流になったときに変化する場合があります。

しかしこの抵抗が無限に大きければよい、というわけではありません。

ジョンソンノイズと呼ばれる、抵抗値に関係したノイズが発生します。ジョンソンノイズはそんなに大きなノイズではないので、実験に合わせて適切な大きさの抵抗を選択しましょう。適度に大きな入力インピーダンスにするのがよいです。

   

 

出力インピーダンス

答えに相当するものだけ先に言ってしまえば、先ほどの赤い抵抗です。

これは、入力インピーダンスと違って、「小さければ良い」です。

 

出力インピーダンスを小さくすると

小さくするのにも限界があります。それは、流れる電流を変化させない限り抵抗が小さい分、出力する電圧が小さくなってしまうことに由来します。

 

入出力インピーダンスを使うと

 

アンプ

ここまで説明をしたらあとは、アンプのような回路を作ってみるとよいでしょう。

役割の理解に努めてみてください。エミッタ接地増幅回路は、出力インピーダンスを上げて出力電圧を大きくする機構であることや、エミッターフォロワー*9は、電流を増幅することで同じ電圧でも出力インピーダンスを下げる機構であることなどが分かると面白いと思います。

 

測定

電気特性を測定したくなった時、「電圧計」を接続すると思います*10。電圧計にも「入力インピーダンス」は存在します。それと、測定対象の入出力インピーダンスをよく見ておかないと、正しい測定ができないかもしれません。オシロスコープもそうです*11

 

 

まとめ

この単元を学べば電気特性の測定や、回路作製の役に立つと思います*12

あとは、実際に回路を作製するなり、実験をするなりで、学んでみてください。

 

変なところやおかしなところがあればコメントをください。

 

電気回路の実験にはこんなソフトもどうぞ。

www.physine.tech

*1:学部四年生

*2:正直、アンプを作る以外に電気回路作ったことはほとんどありませんが、電気回路いじりを始める第一歩として、です

*3:ついでに言うとここの話がしたい

*4:正確にはV [V]じゃなくて[A]だろ、という方は、おそらく、この記事を読む必要はないです

*5:断言してしまうのはいかなるものかと思ったので表記を変えました。実際、電気回路の問題を考えるときはこんなこと考えませんし。

*6:今回は赤い抵抗

*7:電位差

*8:最近だと接続先の抵抗によって、与える電圧が下がってしまったとき、自動的に電流を大きく流すような電圧源が多いですが

*9:エミッターフォロアー?

*10:DMM,デジタルマルチメーターの場合も

*11:大抵のオシロスコープには入力インピーダンスとして数10 MΩと50 Ωの両方が備わっていますが、これについては別の機会に。ファンクションジェネレーターを使うときなどに有用です

*12:少なくとも私と私の周辺の人は